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2005/05/23

芍薬の花の思い出

syakuyaku25 今年も芍薬の花が満開になった。この花は、私にとって亡くなってから10年になる祖母の思い出がつまった特別な花である。

実家の庭に5月になると白いみごとな花を咲かせる芍薬は祖母が大好きで大切に育ててきた花だった。

私が小学校一年生だった頃の話だが、私は学校嫌いな子だった。給食の脱脂粉乳が嫌、隣の席の男の子が嫌い、先生にあてられて発表するのが嫌いそんなこんなの小さい理由の積み重ねで毎日登校前にごねて母を困らせていた。

その日も「学校行かない」と登校拒否の私に、祖母は黙って手を引いて庭に連れて行ってくれた。syakuyaku1-3             

そして、花ばさみでパチパチと咲きかけた芍薬の花を惜しげもなく切っていき、大きな大きな花束を作ってくれた。そのうえ、きれいな包装紙に包んでくれて私に手渡し、「学校に持って行って飾っておくと今日中には咲くよ。行っといで」と言ってくれた。

私はなんだか魔法をかけられたみたいに気持ちが軽くなり、両手で芍薬の花束を持って学校に行った。syakuyaku15

おばあちゃんの言った通りにその日のうちに芍薬の花は開いて、教室の中でもそこだけ異空間のようにきれいだった。

嫌いなことが克服できたわけではなかったけれど、「嫌なこともありゃ、いいこともあるさ」という気持ちになってその日から黙って学校に行き始めたような気がする。

おばあちゃんは、私の心をくすぐるツボをちゃんと知っていてくれてて、そのことが私はとってもうれしかったのだ。

syakuyaku19 病気知らずで元気だったおばあちゃんも87歳という年齢には勝てず、5月のある日長い人生にピリオドを打った。それは、空が悲しいほど青く晴れ渡った爽やかな日だった。

後日、実家の庭から分けてもらいここに植えた芍薬は、おばあちゃんの命日の頃になると大きなつぼみをいっぱいつけてくれる。

そして、今年もこんなにたくさん咲いてくれてありがとう。

おばあちゃんとすごした時間は、私の中に色あせることなく残っていくのだろう。

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コメント

こんばんは!!

雨上がりに綺麗に咲く芍薬見事です。
お祖母さんの思い出がいっぱいある花なのですね。
花びらについている水滴がうれしくて涙を流して
いるように感じます。

白い芍薬初めて見ました。芍薬って濃い赤だけかと
思ってました。
私は最後の画像が好きです。
一輪だけが大空にぬけ、背景にたくさんの花が咲いている
画像すばらしいです。

投稿: tochi | 2005/05/23 19:34

tochiさん、こんばんは!!
芍薬の花は、きのうから今日にかけての雨の水分の重みで頭を下げてしまいました。
そろそろ散る花もあり、一年に一度の再会はあっという間でした。
tochiさんに写真をほめていただき感激しています。
最後の写真は逆光でしたが、それほど日差しが強くなかったので撮ってみました。麦の時の貴重なアドバイスがなかったら、この写真はなかったと思います。花を下から撮るという発想は
私には思いもつきませんでした。
本当にありがとうございます。
うちのカメラは10センチの接近が限界のようです。
それでも、かなりのアップの写真が撮れることがわかりました。でも、ピンボケ続出でしたよ!!
NG特集したいくらいですが、ココログのベーシックなのでやめておきます。

投稿: GANちゃん | 2005/05/24 20:03

白い芍薬 ってなんて優美で優しいのでしょう。そして、あなたの優しさもおばあちゃまに育まれたものであることが とっても納得できるエピソ-ドでした。こころが暖かくなる話ね。
 お花には とんと縁がない朴念仁の私だけど、このぺ-ジでいつも優しくなれる気がしています。本当に優しくなれたらいいな・・・
 それから、野草の地味だけど 印象的な存在感にも心魅かれています。野草の強さと芍薬の優しさ・・・ああ 理想は果てしなく高い!

投稿: おすず | 2005/05/24 22:08

おすずさん、こんばんは。
理想を目指してお互いがんばろうね!!
私も野草のような強さ、たくましさを持てるようにがんばるわ!!
私が自慢できるのは、相変わらず楽観主義なことだけです。
これっていいことなんだよねえ???

投稿: GANちゃん | 2005/05/25 21:39

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